GarageCoffeeShibuyaのブログ

東急Bunkamuraのすぐ近くにあるコーヒー専門店、ガレージコーヒー渋谷のブログです。

2016年を振り返りながら思ったこと

 

ども!店主です。

風はないけど冷え込みますね!12月らしいお天気です。

 

さてさて、ふと思うところあったので今年の振り返りを簡単に書いてみたいと思います。

 

 

■卸の出荷量が増えた

僕自身のコーヒー屋としてのキャリアを振り返ると、2017年4月には10年目、業務用の焙煎機を使っての焙煎をスタートしてからは4年目ということになります。

今年は渋谷にお店を立ち上げて、ちょうど半年たったところです。

 

以前よりも広くなったせいか集中して作業に取り組むことができたのと、今年は「この豆を焼くぞ」と決めてあまりラインナップを変えず同じ豆とずっと向き合ったのが功を奏し、今までよりも焙煎の実力がちょっと上がったかなと思っています。

 

それが直接結びついたわけではないのですが、お陰様で秋頃から卸の受注が増えました。

今月は駆け込み需要もあって、結構な量を出荷しています。

本当にありがとうございます。

 

 

受注にあたっては、如何にコストを下げるかが大きなテーマでした。

お客様にはできるだけ安く買いたいという要望があります(当然だ)。

特に今回はコーヒーを販売ではなくサービスとして提供するというクライアントさんの意向でしたので、なおさらその要望は強くなるわけです。

とはいえ、価格を下げてウチの利益が無くなっちゃうと困る。笑

また、品質を下げた結果リピートしてもらえなくなってしまうというのも困ります。 

 

したがって、できるだけ原価を下げつつそれぞれの豆の特性を活かした、スペシャルティコーヒーの魅力がほんのりと垣間見える仕上がりの深煎りブレンド、というところに着地させました。

結果的にはご満足いただき、順調にリピートしていただいております。

 

 

僕は焙煎を始める以前からも、キャリアの中でずっと深煎りのコーヒーをラインナップしていて、いわゆるスペシャルティコーヒーは後から追加したものです。

もし僕が、純粋なスペシャルティコーヒーしかやらなかったら、この結果にはならなかったと思います。

時代のブームもあって、「全部スペシャルティに変えちゃうぞ!」と思ったこともあったのですが、やめました。

あの時アドバイスを下さった経営者としての大先輩であるお客様には、どんなに感謝しても足りないぐらい本当に大事な言葉をいただきました。人とのご縁の大切さを改めて感じます。

 

■相変わらずラテアートは下手くそ

さっきも書いたようにもうすぐ10年になるんですがラテアートは全然上手くならないですね。笑

いっとき練習したものの、今もちょこっとリーフが描けるぐらいでとても業界の方々から褒めていただけるようなものではありません。

 

ってとこでふと思ったんですが、もしもラテアートがめちゃくちゃ上手くできたとして、その一杯にどんな価格がつけられるだろう?どれだけの人に支持していただけるだろう?と。

 

おそらく、どんなにすごいビジュアルのカフェラテであろうと一杯500円を超える金額をいただきながら何度もリピートしてもらうのって簡単なことではないと思うんですよ。

 

業界の中にいる僕自身も、ラテアートが見たいっていう理由で行ったお店って2回ぐらいで、逆に最近よくリピートするコーヒー屋は乗り換え駅の中にあるサザコーヒーさん。

美味しいのはもちろんですが、自分にとって一番便利な場所にあるのが大きな理由です。 

そして、今や淹れたてのコーヒーはコンビニですぐ買える時代でもあります。

 

■自分の武器と、やりたいこと、市場のニーズをどうすりあわせるか

ラテアートを究めること自体はいいと思いますし、焙煎できるようになったらOKってことでもないと思います。

重要なのは、上手にやっているひとは「市場のニーズに対応している」ということ。

 

 

卸売に特化し、お手頃価格で業務用の豆を大量に出荷しているお店。

コスパ良い価格と立地、アットホームな雰囲気で、コーヒーと軽食の組み合わせで安定した売上を作るお店。

突き抜けた味のコーヒーを作って、マニアから支持を受けるお店。

 

 

それぞれに自分の技術だけでなく、個性を活かしたやり方だと思います。

 

じゃあウチの個性って何よって聞かれたら別に無いんだけど。笑

オチがついたとこでそろそろ筆を置きたいと思います。

 

 

もしこれを読んでいる、これから開業したいと考えてる方がいたら、今自分がやっていることは具体的にどのぐらいの価値を生むのか、そこにはどんな可能性があってどう発展させていくのか、ちょっと考えてみてください。

 自分が日々努力し取り組んでいることは、次のキャリアにつながる可能性があるのだろうか?

あるいは、つなげるために今やるべきこと、磨くべきスキルはなんなのか。

 年末年始のお休みは自分を見つめるのにちょうどよい時間かもしれません。